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第28回「食と健康」講演会のご案内

当財団は「健康で豊かな食生活の向上に寄与する」ことを目的に、事業活動の一環として講演会を行なっております。
当財団の活動を正しく、広く理解して戴くために第28回「食と健康」講演会を開催致しますので、万障お繰り合わせの上、ご参加賜りたくご案内申し上げます。
本年の講演会はWEB配信と致します。聴講をご希望の方は下記の参加お申込みフォームをクリック頂き、必要事項を入力のうえお申込み下さい。


第28回「食と健康」のご視聴につきましては
応募を締め切らせていただきました。
沢山のご応募ありがとうございました。

参加お申込みフォーム
日 時 2020年9月2日(水)午後2時00分~午後4時00分
テーマ ■ 第一部 研究報告
  1. 「腸内細菌と協力して動脈硬化を減らす脂質をつくる」
    発表者:小倉おぐら 正恒まさつね 氏 (国立循環器病研究センター研究所病態代謝部脂質代謝研究室 室長)
  2. 「高カロリー高脂肪食によるインスリン抵抗性発症メカニズムの検討」
    発表者:加賀かが 英義ひでよし 氏(順天堂大学大学院医学研究科代謝内分泌内科学 助教)
■ 第二部 講 演
  1. 「食べ物を通じて人間に危害を加える微生物たちの素顔」
    講 師:木村きむら ぼん 氏(東京海洋大学学術研究院食品生産科学部門 教授)
参加料 無料
お問い合わせ ■当講演会に関するお問合せ先
公益財団法人食生活研究会
担当:宮村
東京都文京区根津1-4-26
電話:03-5834-7851
講師経歴

木村きむら ぼん東京海洋大学学術研究院食品生産科学部門 教授

経歴
1979年 3月
京都大学農学部水産学科卒業
1985年 3月
京都大学大学院農学研究科博士課程単位取得退学
1985年 4月
農林水産省水産大学校製造学科助手
1994年 4月
東京水産大学食品生産学科助教授
2003年10月
大学統合により、東京海洋大学海洋科学部海洋食品科学科助教授
2007年 4月
東京海洋大学海洋科学部食品生産科学科 教授
2016年 4月
組織改組により、東京海洋大学学術研究院 食品生産科学部門 教授(~現在に至る)

主な著書
「Bergey's Manual of Determinative Bacteriology vol. 2 , "Marinospirillum"」(共著Springer, 2005)
食品衛生検査指針 微生物編 2015(共著、日本食品衛生協会、2015)


主な研究テーマ
1.腐敗・食中毒菌など有害微生物の制御・遺伝子解析  2.食品が腸内微生物動態(有用、有害)及ぼす影響の解明


受賞歴
 科研費 模範審査員表彰(日本学術振興会)(平成20年度)、日本食品衛生学会 学術貢献賞受賞(平成24年)、 科研費 模範審査員表彰(日本学術振興会)(平成24年度)、日本食品微生物学会 学会賞(令和元年)

食べ物を通じて人間に危害を加える微生物たちの素顔/東京海洋大学 木村 凡

本講演では、食べ物を通じて私たちに危害を加える微生物たちの素顔について、講演者の視点からその一端を紹介してみようと思う。

初めに基本的理解

海の潮間帯で誕生したと考えられる生命は海洋生物と陸上生物に分岐・進化した。陸に上陸し、乾燥や急激な温度変化のある陸上での生活に適応したのはグラム陽性菌である。厚いペプチドグリカン層の細胞壁を持つグラム陽性菌は、グラム染色液で強く染まる。一方、湿ったところを好む水生型菌をグラム陰性菌と呼ぶ。梅雨時には、テラス、道路の路肩、草木の表面、あるいはビルの陰など、日の差しにくいところに水たまりができ、そこでは本来乾燥土壌や草木表面には存在しにくい多くのグラム陰性菌が繁殖する。グラム陰性菌は薄いペプチドグリカン層しか持たず、その代わり、細胞壁の外側が粘膜多糖で覆われているので、グラム染色ではあまり強く染まらない。両者の違いをイメージ的に捕らえると、海草と陸上の木の違いでイメージしてみるとよい。陸上の木はがちっとした強固なイメージであるが、海草は物理的にはしなやかであり、その代わりに外側がぬるっとした粘膜で覆われている。

感染型食中毒細菌と毒素型食中毒細菌

グラム陽性菌と陰性菌の2つの細菌の違いは、食中毒菌としての側面にも大きく関連してくる。グラム陽性菌は毒素型食中毒菌が多く、グラム陰性菌は感染型食中毒菌が多い。毒素型食中毒菌とは、菌が作り出す毒素が食品中に蓄積して、ヒトがその毒素を食品とともに摂食して発症する食中毒を起こす細菌のことである。一方、感染型食中毒菌の場合、ヒトに危害をあたえるのはあくまでも菌自身である。菌自身がヒトの口→胃→腸管へと侵入し、最終的に腸管粘膜上皮細胞から体内に侵入しようとする攻防の結果、下痢を引き起こす。

このように毒素型と感染型ではヒトへの発症メカニズムが違うので、発症するまでの時間や症状にも違いがでる。毒素型食中毒の場合、毒素入りの食品を食べてから発症するまでかかる時間はおおむね数時間から十数時間であり、症状も吐き気などの症状が主体である。一方、感染型食中毒の場合、菌入りの食品を食べてから発症するまでに10 数時間から24 時間と長時間要する場合が多く、症状は下痢症状が主体となる。

代表的な病原微生物の素顔

この講演の後半では、食べ物を通じて私たちに危害を加える微生物の中で、代表的な腸管出血性大腸菌、サルモネラ、カンピロバクター、ノロウイルスについて、講演者の視点でそれらの素顔を紹介してみたい。特に、これらの微生物の様々な環境要因(酸、乾燥、低温、加熱、薬剤等)に対する特性や、また、そもそもこれらの微生物はなぜ人が食品を食べる時にのみ感染するのか、空気感染や人の接触でなぜ感染しないのであろうか、 なぜ病原性大腸菌やカンピロバクターは牛や鳥などでは大きな感染を引き起こさないのか、そもそもこれらの微生物の様々な病原因子は人間を標的としてつくられているのだろうか?などの疑問についても、講演者の視点から考えてみたい。加えて、これらの微生物をめぐる最近の研究の話題などについても触れてみたい。

食生活研究会の概要 -設立経緯と目的-

昭和16年、日清製粉株式会社の創始者正田貞一郎翁は、農産物に関する科学的研究促進のため、「研究機関または研究者に対する援助」等を行うとして財団法人農産科学研究会を設立した。
設立時には学会の権威である鈴木梅太郎、坂口謹一郎、水島三一郎各先生が理事となり、初代理事長に正田貞一郎が就任した。
戦後、食生活の実態が戦前とは著しく変容することとなったことに顧み、目的を「食糧の構成と食生活に関する科学的研究を行い、国民の食生活の改善向上に寄与する」とし、名称も「財団法人食生活研究会」と改称した。
また、平成25年4月に公益法人制度改革による公益認定を受け、名称を「公益財団法人食生活研究会」に、目的を「健康で豊かな食生活の向上に寄与する」に変更した。
当財団は創設以来、「食」に係る研究者・研究機関等を対象とした研究助成、講演会の開催を長年にわたって行ってきたが、平成25年度から海外からの留学生支援を加え、公益事業を行っている。
歴代の理事長は正田貞一郎、渋沢敬三、山際正道、正田英三郎、藤巻正生の諸氏であり、現在は正田 修がその任にある。

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